幼いころからの夢 それは看護師になること

私にとって看護師は「天職」。そう思って仕事をしてきました。


でも、まさか「転職」することになるとは思いもしませんでした。


■看護師になることが夢だった

看護師になることは幼いころからの夢でした。


病院へ行くときには病気だから行きます。病気の時には、気が弱くなってしまっているものです。そんな時に、いつも優しく声をかけてくれる看護師さんに、子供心ながら憧れを持っていました。


優しく声をかけてくれるだけではなく、素早く仕事をしている姿にも憧れを持ちました。


そのため、進路を決める際にも看護師になる道として最短と思われる方法を選びました。看護科を設置している高校へ進学することにしたのです。


■初めて就職した病院

看護師関連の学校を卒業し、看護師免許を取得したのちに、住んでいる地域でも大きな病院への勤務が決まりました。


私と同じ時期に入職した看護師は私以外にあと2人でした。


初めのうちは全く何も分からず、ただ先輩看護師の言っていることをそのまま実行していました。


今思うと、それは仕事をしているというよりも、学生の時の実習の延長のような感じでした。つまり必死さがなかったかのように思います。

「これでお金をもらっている」


という感覚ではなく、学生の時の実習をしている感じとでも言いましょうか。


そのため、周りのプロの看護師からしてみると、まだまだ学生気分の抜けない未熟者に見えたと思います。歯がゆい部分も多かったことでしょう。


それでもその時は、先輩の指示通りに動いていれば、それでよいという感覚でした。未熟ながら、それが仕事というものだと思っていました。


■本物のプロの看護師

どのような仕事でも言えることかもしれませんが、本当のプロというのは、自分からどんどん動きます。


仕事は与えられてするものではなく、自分から見つけるものだと思うのです。


しかし、まだ経験の浅い私は、全然そのことに気づいていませんでした。


患者さんと触れ合っていると、感謝の言葉をかけられることが多く、未熟な私はまるでプロの看護師になったような気でいました。まさしく「看護師が天職だ」と思い仕事を続けていました。


そのような状態で数か月仕事をしている中で、ついに私にとって衝撃の事件が起こります。


「看護師は天職、私には合っている、そして仕事ができている」


そう思っていた(勘違いしていた)私は、とうとう先輩から私の勘違いをしている部分を指摘されたのです。それも数か月溜まりに溜まっていた分、かなりきつく言われました。


私としてはできているはずの仕事について注意されたわけなので、突然の注意に唖然としてしまいました。また、仲良く接してきたはずの先輩からの言葉にショックを受けました。さらに、自分が勘違いをしていたことに対して恥ずかしさも感じました。


そして、色々言われたことを振り返ると、自分がまだまだプロとは程遠い存在であることを感じさせられました。


■プロの看護師を目指す・・・のつもりが・・・

仲良くしていた先輩に注意され、心を入れ替えプロの看護師を目指す・・・となればよいのですが、思いのほかショックを受けた私は、人間不信気味になってしまっていました。


いつもは優しく接してくれている人も、心の中ではどう思っているのか分からないと感じたためです。


そのため、何をするにしても、周りの目が気になって仕方ありませんでした。


そのような状態で、患者さんに接していて良いはずがありません。


このような状態を相談できれば良いのですが、だれにも相談できる状態ではありませんでした。


今までなら、先輩に相談していたのかもしれませんが、相談することで、また何か言われるんじゃないかと内心ビクビクしていたのです。


その状態が続き、看護師になり1年がたったある日、私は逃げるように退職をすることにしました。

■転職し新たなスタートを切る

逃げるように退職をした私ですが、働かなければなりません。


やはり、看護師という職業は幼いころから憧れていたものであり、次も看護師をしたいと思いました。


そして、求人情報誌や看護師の転職サイトから情報を集め、少し住まいから距離が離れていますが、小規模な病院で新たなスタートを切ることになりました。


そこでは、以前のような二の舞にならないよう、まず自分は未熟であるということを前提に働くようにしました。分からないことがあれば先輩に聞き、何か言われても素直に聞くようにしたのです。


仕事がある程度こなせたとしても、変に図に乗らないようにしました。常に勉強という姿勢で仕事に取り組みました。


その姿勢が正しかったのかは分かりませんが、特に何事もなく仕事を続けられました。


そしてある日、私の心に残る言葉を患者さんからかけてもらえました。


「あなたは看護師という職業が天職なんだね」


そう思ってくれる患者さんが一人でもいてくれることに対して、私は非常に大きな喜びを感じました。


あまりにも嬉しく、それを先輩に話をしました。すると、


「良かったね。あなたがこの病院に来た時には表情が暗く、元気がなさそうだったけど、最近はとっても良い感じよね。笑顔も多いし。それを患者さんは見ていたのでしょうね。患者さんに認められるような看護師をこれからも目指してね。」


ほんの些細なことかもしれません。もしかしたら気持ちの持ちようなのかもしれません。


ただ、一度打ちのめされ、心を入れ替えたことで、ずっと言われたかった言葉を言ってもらえました。そして、働きやすい職場に巡り合えました。


これからも看護師という仕事を謙虚に、そして元気にやっていこうかと思います。